最強ボクサーの言葉は高僧の教えの様だった『劇的王座奪回!村田諒太が紡いだエディオンアリーナ大阪の“奇跡”』

「再起して良かった。本田会長が飛び跳ねて喜ぶなんて見たことがない。そのシーンを作れたことが嬉しい。僕は歯車の一部。リング上でも言ったが、ナンキン(南京都高ボクシング部、現在・京都廣学館高)が居場所をくれた。東洋大もそう。帝拳も僕を一部として受けいれてくれた。居場所があり、そこに還元できたことが嬉しいんです」

 

 瞑想の先生たちはよく「自分の持っていないものを渇望するのではなく、自分の持っているものに感謝することが大切だ」と説く。村田選手は、自分の居場所と、それを与えてくれたものに、感謝するというまさに教え通りのことをしていたわけで、こう言うのもなんですが、強いわけですよね。

 

「主観、概念というものは、自分次第なんです。緊張していればそうなる。感謝してここに立てばいい舞台になる。こういう話をすれば、哲学的だと言われるが、へたれな自分をそうやってカバーしている」
 花道ではいつもの笑顔を封印した。
「何も考えないでおこう。瞑想状態。呼吸だけで無の状態を作ろう」

 

 こういうセリフを聞くと村田選手が禅の修行者のような気がします。間違いなく禅に造詣があると思います。自分の弱さを受け入れること、感謝すること。偉大な選手です。

 そして、瞑想状態。呼吸だけを意識する。これマインドフルネス瞑想の教科書には必ず書いてあること。村田選手が試合前に実践していたと思うと、瞑想をする者の端くれとして、何だかうれしくなってしまいます。瞑想は人をこんなに強くするんだと。

 

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