スティーブ・ジョブズと瞑想・禅・マインドフルネス

参照書籍

スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I

 

  ジョブズは図書館に通い、コトケと一緒に禅の本をたくさん読むようになる。鈴木俊隆の『禅マインド ビギナーズ・マインド』やパラマハンサ・ヨガナンダの『あるヨギの自叙伝』、リチャード・モーリス・バックの『宇宙意識』、チョギャム・トウルンパ・リンポチェの『タントラへの道ー精神の物質主義を断ち切って』などだ。エリザベスの部屋の天井裏に瞑想室を作り、インドの上に絨毯、ろうそく、香、座禅に使う座布団の坐蒲などを持ち込んだ。

「天井の一部が開くようになっていて、そこから天井裏に入ると大きな空間があったのです。そこでサイケデリックドラッグを使ったこともありますが、だいたいは瞑想をしていました」
ジョブズにとって、禅宗を中心とする東洋思想に傾倒したのが一時の気の迷いでも若気の至りでもなかった。いかにも彼らしい激しさに追求し、東洋思想自分の中に取り込んでいく。ふたたびコトケの証言ー。
「スティーブは禅と深く関わり、大きな影響を受けています。ギリギリまで作業としてミニマリスト的な美を追求するのも、厳しく絞り込んでいく集中力も、皆禅から来るものなのです」(スティーブ・ジョブスI ページ74)

^_^ ジョブズが禅にのめり込んでいたことは有名だが、禅や、瞑想に関わってもあの気性なのだから、関わっていなかったら一体どうなっていたのか。
ジョブズがどんなスタイルで瞑想に向き合っていたのかを知りたい。

 

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毎朝、毎晩、瞑想をおこない、禅を勉強し、その途中でときどき、スタンフォード大学へ物理学や工学の授業を聴講に行った。(スティーブ・ジョブスI ページ93)  

^_^ ジョブズが朝晩、少なくとも一日二回以上瞑想を行なっていたということがわかる。ぼくも一日一回ではなく2回以上の瞑想をしてみるべきかな。

 

 

スタンフォード大学で学生に話をする機会を得たときには、ウィルクス・バシュフォードのブレザーも靴も脱ぎ、机の上で座禅の姿勢を取った。アップルの株価はいつごろ上昇しそうかといった学生の質問は無視し、いつか、本のように小さなコンピュータを作りたいなど、将来的な製品に対する情熱について語る。(スティーブ・ジョブスI ページ179)

^_^ ジョブズが座禅をどんなものだと考えていたかというヒントになりそうなエピソードだなぁ。

 

 

デザイン感覚を磨く過程でジョブズは和のスタイルに惹かれ、イッセイミヤケやイオ・ミン・ペイなど、和風で有名なデザイナーとの付き合いを深めていく。この背景には仏教があった。
「仏教、特に日本の禅宗は素晴らしく美的だと僕は思う。中でも、京都にあるたくさんの庭園が素晴らしい。その文化が醸し出すものに深く心動かされる。これは禅宗から来るものだ(スティーブ・ジョブズ」(スティーブ・ジョブスI ページ208)

^_^ イオ・ミン・ペイは中国銀行タワーなどを設計した建築家。禅と資本主義の権化とすら言えるGAFA4騎士の一角のアップルと日本の禅が深い関係があるというのは嬉しいやら、日本からアップルのような会社が出なかったことが悲しいやら。

 

 

仏教を学んだジョブズはモノへの執着を断ち切ることが大事だと信じており、消費の欲望は不健全で、悟りを開くためには非執着・非物質主義の生活としなければならないと考えていた。モノを欲しがり手にいれることの問題点を禅の師匠、知野弘文が語った法話のテープを送ったりもした。(スティーブ・ジョブズ」(スティーブ・ジョブスI ページ403)

^_^ 物欲を否定しつつ、物欲を掻き立てる製品を創造し続けるジョブズ。この道理の通らなさこそ、ジョブズの魅力で違和感でカリスマ性なのかも知れない。