近藤麻理恵(コンマリさん)と禅・瞑想・マインドフルネス

 

人生がときめく片づけの魔法 改訂版

人生がときめく片づけの魔法 改訂版

 

 こちらの本でおなじみ、さらにアメリカでもスマッシュヒットを飛ばしているコンマリさんも瞑想を活用している。日本で最初に本を出した本を読んで影響を受けていたので、ずんぶんビッグになったなぁと勝手にうれしく思っていました。

 かたずけにトキメキというわかりやすくポジティブな精神性を持ち込むという発明は、日本よりも、むしろ欲望を全肯定しがちなアメリカで受け入れられたのかもしれない。

 日本ではどちらかというとやや暗めの「断捨離」という仏教用語もどきの言葉がかたずけ界では力を持っていたので、日米の文化的土壌の違いが垣間見えるようで面白い。

 これからはアメリカで大ヒットという金看板を手にしたのでアメリカが大好きな日本でも再びトキメキが力を持つことになるだろう。

 

近藤は家のドアを開けて夫婦と会ってすぐに相手とハグを交わし、母親が抱えていた幼い娘を抱っこし、そのまますんなりと家族に溶け込む。そして、2人の説明に笑顔で耳を傾けた後、子どもたちが疲れて眠り込んだ機会に「家への挨拶」をする。

「正座して目を閉じ、家にご挨拶をする」というのは、アメリカ人にとって奇妙な行動に見えるはずだ。だが、一緒に目を閉じて瞑想した夫婦は、毎日の忙しさと散らかった状態ですっかり忘れていた「自分の家の素晴らしさ」を思い出し、じんわりするのだ。ツイッターでの反応を見ると、一緒に涙ぐんだ視聴者が結構いたようで、ここですっかり「こんまり」の虜になってしまった者がいたことがわかる。

賛否両論の中でも「こんまりの片づけ」が世界中で大ブレイクする理由【連載】幻想と創造の大国、アメリカ(10)より

「正座して目を閉じ、家にご挨拶をする」ってそんなこと、日本人にとっても奇妙な行動だが、瞑想だとすれば理解はできる。

 彼女の本に瞑想のことは書かれていなかったはずだから、アメリカ人に受けるように演出したのかもしれないが、瞑想で気持ちを整えてから、家の中を整えるというのは、やり方として面白そうだ。