『どんどん必要にさせられていく。市場に操られてどんどん必要なモノが増えてしまうと、それは決してあなたは自由ではなくなります。なぜならば、あなたの大切な時間が、その市場によって失われてしまうからです。そして、あなたが欲しいモノを買うためにあなたの自由な時間が失われてしまうのです。』ホセ・ムヒカ(世界一貧しい大統領)

『どんどん必要にさせられていく。市場に操られてどんどん必要なモノが増えてしまうと、それは決してあなたは自由ではなくなります。なぜならば、あなたの大切な時間が、その市場によって失われてしまうからです。そして、あなたが欲しいモノを買うためにあなたの自由な時間が失われてしまうのです。』ホセ・ムヒカ(世界一貧しい大統領)

logmi.jp

 

 とてつもなく強力な資本主義市場の中に生きながら、資本主義に支配されず、資本主義とちょうどよい距離感を保ちながら、資本主義を上手に利用し、人生を謳歌する。

 

 この難題を達成するには3段階のステージがあると思います。

 

 一つ目は、何かモノを欲しいと思ったときに、それはあなたが市場(しじょう)によって欲しいと思い込まされたモノなのか、真にあなたの人生に必要なモノかを見きわめる力を持つと言うこと。

 

 たとえ安い商品でも、たとえ百円ショップの商品でも、本当に必要かどうかを見極める力が必要です。

 

 なぜなら買えば、それはあなたのモノになり、あなたが処分するまで、あなたにはそれを管理する義務を負わされるわけです。

 

 現代社会には、安易に手に入れ、安易に管理する義務を背負い込んでしまったモノで、家の中があふれてしまっている人がたくさんいます。

 

 それに人々が気づき「断捨離」などのブームが来たわけですが、そもそも、真に必要なモノを知り、真に必要なモノだけを手に入れれば「断捨離」をする必要もないわけです。

 

 確かにとても難しいことですが、多ければいい、値段が高いものが良いものだという考え方から脱却するということは、資本主義の中で上手に生きる第一歩だと言えるでしょう。

 

 2つ目、次のステージは自分が資本主義に捧げる時間をコントロールすることです。

 

 お金を節約することには多くの人が賛成するでしょうか、働く時間を減らす、時には収入が減るような選択をするというのは、とても難しいのではないでしょうか。

 

 例えば買うモノを本当に必要なモノに絞って、月に6万円で暮らせるようになったとします。

 

 次にすべきことは何でしょう?

 

 それは生活の為に労働に捧げてきた人生の時間を取り戻すことです。

 

 学生から、社会人になり、多くの人がよく考えることもなく、いわゆる社会の常識に従い、週休5日、一日8時間労働をし、時に残業をし、時に休日出勤をしてきたと思います。

 

 しかし、今やあなたが生きていくのに必要なのは月に6万円です。ならば、それ以上に労働に人生を捧げる必要は無いはずです。

 

 週休5日にしたり、一日の労働時間を3時間に減らしたり。

 

 そうして、取り戻した時間はあなたが資本主義から取り戻した人生の時間です。

 

 まったく売るつもりのない絵を描いてもいいですし、売れない同人小説を書いてもいい、もちろん愛する人と過ごす時間にしてもいいですし、長い間、やろうやろうと思っていた親孝行をしてもいいでしょう。

 

 子供がいる人は子供と過ごすのもいいでしょう。10歳の子供が10歳でいてくれるのはその一年だけです。

 

 もちろん世の中をよりよくするために社会運動に傾倒するのもありです。このページで紹介している名言、

 

『どんどん必要にさせられていく。市場に操られてどんどん必要なモノが増えてしまうと、それは決してあなたは自由ではなくなります。なぜならば、あなたの大切な時間が、その市場によって失われてしまうからです。そして、あなたが欲しいモノを買うためにあなたの自由な時間が失われてしまうのです。』ホセ・ムヒカ(世界一貧しい大統領)

 

 この言葉の主であるホセ・ムヒカ氏は社会を変えようと、世界一貧しい大統領として、ウルグアイ大統領を務めたわけです。

 

 どうでしょうか。そう言われても働くことに、稼ぐことに、ブレーキを掛けるのは難しいのではないでしょうか?

 

 それほど、収入が減る選択を選ぶというのは、恐ろしく、難しいことでもあります。なぜなら社会の常識が、経済成長を続けること、昨日より今日、今日より明日と、永遠に経済的に豊かになり続けることだと信じているからです。

 

 最後の3つ目のステージは、手にした富を手放すということ。

 

 人によっては親から莫大な遺産を受け取ったり、メジャーリーグで活躍したイチロー選手のように自分がやりたいことを突き詰めたら莫大な報酬を得たなどの、自分の時間を、いわゆる労働に切り売りすることなく、富を得るということがあるかも知れません。

 

 そんな時、たいていの人は二つのルートを選びます。

 

 一つはその富を使って生活水準を上げてゆき、豪華な生活をするということです。お金には人が集まります。いつの間にか増えたお金目当ての友人たちと資本主義的な意味で誰もが羨むような生活をします。

 

 このような人は突然、収入の道が絶たれたりすると、莫大なお金を手にしたのに、一転、破産したりするのです。

 

 もう一つはその資産を上手に運用したり、活用したりする人たちです。そのような人たちは、一見、賢い生き方をしているように見えますが、資産は常に管理を必要とします。

 

 資産管理のハンドルは握り続けなければならないのです。せっかく自由な両手を持って生まれたのに、その手は資産管理のハンドルを握り続けなくてはならないわけです。

 

 資産運用は人に任せればいいという意見もあるかも知れませんが、資産管理を任せた人のハンドルを握るのは結局、資産を持つその本人です。

 

 ましてや、その資産を子供や孫に残すとなれば、もっと悲惨です。相続税を逃れるために資産をあちらへ移し、こちらへ移し、挙句、グレーなことにも手を染めることになります。

 

 タックスヘイブンの顧客名簿に、日本の有名な漫画家の名前があったりして話題になったことを覚えている人もいると思います。

news.livedoor.com

 

 資産を受け継ぐ子供や、孫は個人としてやりたいことをする人生ではなく、資産家の家の家名を汚さぬように、生きることを強要されます。

 

 絵描きとして生きたかったのに、父の会社を継がされ、好きになった女性とは結婚できず、社交界から選ばれた女性と愛の無い結婚を迫られる。

 

 そんな悲しい物語は世界中にいくらでも存在します。

 

 親から受け継ぐものが多すぎて、自分の人生を生きられない。そんな人生が果たして幸福でしょうか?

 

 それでも、必要以上の資産は持たない。手放してしまう。そう心に決め、実践するのはとてつもなく難しいとことだと思います。

 

 以上、

 一つ、本当に必要なモノを見きわめること。

 

 二つ、必要以上に労働に人生を明け渡さないこと。

 

 三つ、必要以上の資産を持たないこと、

 

 この三つを、世界に対して実践して見せたのが、表題の言葉を述べた世界一貧しい大統領こと、ホセ・ムヒカ氏です。

 

 彼は、一国の大統領でありながら質素に暮らし、大統領時代の報酬のほとんどを寄付し、持っている資産と言えば古ぼけた空色のフォルクスワーゲンだけだったという人物です。

 

 そんな彼の言葉をもう一度、

 

『どんどん必要にさせられていく。市場に操られてどんどん必要なモノが増えてしまうと、それは決してあなたは自由ではなくなります。なぜならば、あなたの大切な時間が、その市場によって失われてしまうからです。そして、あなたが欲しいモノを買うためにあなたの自由な時間が失われてしまうのです。』ホセ・ムヒカ(世界一貧しい大統領)