『私が闘いを通じて目指しているのは、ネクタイを締めたい人は締めて、締めたくない人は締めない世界だ』ホセ・ムヒカ(世界一貧しい大統領)

『私が闘いを通じて目指しているのは、ネクタイを締めたい人は締めて、締めたくない人は締めない世界だ』ホセ・ムヒカ(世界一貧しい大統領)

jose-mujica.com

 

 この言葉が表すのは新しい形の自由ということ。

 

 ネクタイとは苛烈な資本主義の競争のことを指し示すと思われる。

 

 ネクタイを締めて、苛烈な競争資本主義に参加したい人は参加すればいいし、参加したくない人も、きちんと生きていける。

 

 ムヒカ氏はそんな世界を目指しているのではないだろうか?

 

 現在社会では、多くの人に苛烈な競争資本主義に参加しないという選択肢は与えられていない。職業選択の自由もあるようでいて、実際には存在しない。勝利するか、勝者に人生を切り売りしなければ、食べていけないからだ。

 

 人々は食べていくという最低限の生存権を人質に競争資本主義に巻き込まれる。

 

 それは世界中の人々と競争させられるグローバル化であり、勝者がすべてを支配し、勝者が市場を支配する世界である。

 

 最近の政府は老後の資金は自己責任で投資しろと言い始めたのも、国はもはや守らないという宣言でもある。

 

 もはや誰もが金融資本主義の中で戦わなければならないということになる。靴屋であろうが、パン屋であろうが、世界中の金融屋、つまりはプロと戦わなければならないということ。

 

 もはや一生懸命働けばいいということですらなくなってしまった。

 

 いったい世界はどこへ向かうのだろう。

 

 ムヒカ氏は資本主義を否定しない。行き過ぎた資本主義を否定するのだ。